ゆの里TOP >> コラム「【8−1】黒子に徹して、より良い商品づくりを目指しています。 」

【8−1】黒子に徹して、より良い商品づくりを目指しています。

サカイキャニング(株)3代目

工場見学の後、阪井哲也社長と生産管理本部の矢野秀明部長にお話を伺いました。

御社が認証登録を取得されたFSSC22000とはどういった安全基準なのですか?

生製造部門の責任者である矢野秀明部長

(矢野部長)FSSC22000というのは、国際食品安全イニシアチブ(GFSI)が制定したベンチマーク(基準点)で、これまでの食品安全マネジメントシステムISO22000に、より安全性の基準を明確にするため、ヨーロッパの規格PAS220を組み合わせた国際規格です。当社は、今年の2月14日に取得しましたが、取得準備を開始してから登録まで一年近くを要しました。この規格は取得している企業はまだ少なくて県内ではうちが初めてだと聞いています。しかし、取得したから終わりではなくて、これからが大変なんです。今後は、毎年監査が入って、基準通りに運用されていないと判断されると認証は取り消されます。
(阪井社長)そうなると、逆効果ですからね。取得しない方が良かったということになってしまう。ですからこれからが本当のスタートです。

充填室も大きく変更されたとか

(阪井社長)今年の一月に、リンサー(ボトル洗浄機)、充填機、キャッパー(キャップ巻締機)の三工程の機械を更新し、充填室も二重構造に全面変更しました。クリーンルームの中にあるクリーンルーム内で、三工程すべて、ほぼ無菌の状態で行われます。
(矢野部長)これまでよりも、さらに高度な微生物等の対策を打っているので、この三工程の入るクリーンルーム内では微生物の検査をしても菌はいつも0状態で、今まで菌が検出されたことはないですね。

工場内全体はもちろん、タンク等の設備がすごくきれいでピカピカに磨かれていることに驚きました。

(阪井社長)工場では、掃除が何より重要だと考えています。毎日、掃除しに会社に来ているんだというぐらいの気持ちを社員全員が持つように日頃から心がけています。当社の工場は、全施設ドライ化されていますので、先程の工場見学でも、最初から最後までスリッパを履いたまま回ってもらうことができましたが、現在でも飲料や食品工場では、長靴を履いて消毒液の中をジャブジャブ通って、作業も長靴を履いたままという所が少なくありません。また、当工場では、鉄骨や梁が剥き出しの箇所もなく、床や壁、天井まで普通の家と同じように内装をしているので、隅々まで掃除できて、埃が溜まりません。
 そして、掃除はラインを停止してやりますから、機械のネジが緩んでいたら、早めに気付くことができますし、構造的に、どこが危険かというのも理解できます。通常運転の時には、何らかの理由で機械が止まっていても、不用意に手を近づけるとセンサーが反応して突然動き出すこともあるので、とても危険です。場合によっては命に関わる場合もありますから、製品だけではなく身の安全のためにも掃除は最も重要なんです。
(矢野部長)機械が速いスピードで動いていると、比較的慎重になりますが、ゆっくり動いている場合は、つい手を出してしまいがちなので、注意が必要です。特に手袋をしていると、ちょっと引っかかっただけで、機械に巻き込まれて大事故を起こす可能性があるので十分気をつけないといけません。

「月のしずく」の充填を始めた頃に起きた現象とは?

9年も経っているとは思えない、ピカピカに磨かれたタンクと床

(阪井社長)ある時、充填された「月のしずく」のボトルの中にモヤッとした白い浮遊物が現われました。のちに、これは水に含まれるミネラル成分だと判明しましたが、なぜその現象が起こるのか、また、起きない時との違いが分からなかったんです。それから何度も試行錯誤を重ねるうちに、水に衝撃を与えたり乱暴に扱った時にそういう現象が起こる事が分かってきました。それ以外にも、充填スピードを速くするとボトルに規定量まで水が入らなくなるんです。それらのことを考慮した上で、お水を扱うようにしたところ影響が出なくなりました。

「ゆの里」のお水に助けられた事があるそうですが。

(阪井社長)専務をしている弟が、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム溶液)をタンクに移す作業中に、溶液を全身に浴びてしまったんです。すぐに風呂場へ連れて行き、水で洗い流し、服をハサミで切って工場に置いてあった「銀水」をバシャバシャと体にかけました。そのまま、しばらく様子を見ていたら2時間ほどで痛みも治まったようでした。苛性ソーダは劇薬ですから、普通なら大火傷を負って全身ケロイド状態になってもおかしくないのですが、結局病院へも行かずに、傷跡も残らずきれいに治ってしまいました。
 息子である常務も水に助けられた一人です。ホットメルトといって段ボール接着用にプラスチックを溶かして180℃の高温になった粘液を、顔に飛ばしてしまって、接着剤ですから瞼からこめかみにかけてべったりと貼り付いてしまいました。その時も「銀水」をかけ、その後もスプレーし続けました。すると数日で接着剤がポロッと剥がれ、最初ピンク色だった皮膚もしばらくしたら、すっかり元通りになりました。その時も病院へは行っていません。
 私自身、悪性腫瘍が見つかって11〜2年前に胃の2/3を取り、6年前に大腸の全摘手術を受けているんですが、手術で縫った跡に毎日「銀水」をスプレーしていたら、最初引きつっていた傷口がだんだん目立たなくなってきて、今はうっすらとスジが残っている程度になっています。また、悪性にもかかわらず、二回の手術の経過もよく抗癌剤も必要とせず、今もこうして仕事を続けられるのは、ずっと「月のしずく」を飲んでいるからじゃないかと自分では思っています。

黒子に徹するという経営方針について教えてください。

(阪井社長)ほぼ受託専門で商品を生産していますが、下請けだと思った事はありません。社名は出なくとも、あくまで自社の製品として自信を持ってお客様に届けられるよう、商品開発の段階から発注元と協議を重ねて、とにかくいい商品を作ることを第一に考えています。当社は昨年、創業100年を迎えましたが、これまで飲料一筋で培ったノウハウを生かしながら、最新の技術や管理システムを積極的に取り入れ、より安心・安全な商品づくりを目指しています。
 また、「月のしずく」のように、数値だけでは表せない水の品質にもこだわり続け、これからも〝飲み物のロマンを伝える〟ことをテーマに、社会に貢献していきたいと思っています。

阪井社長、矢野部長、お忙しいところ本当にありがとうございました。

取材/ゆの里友の会