「自分の健康はお金を払ってまで守らなければならない時代が来るから、私、お風呂屋さんする」
その壽美子会長の一言で始まった「ゆの里」開業物語。
半年後に最愛のご主人が亡くなり、心が折れかけた会長に一人の山伏が声をかけます。
「この場所は特別な場所で、高野山が開かれる前の聖地。この地にこれを建てたことには大きな意味と役割があり、それは社長さん(壽美子会長)」がやらなければならないんですよ」
宿命としか思えない言葉を励みに、温泉水「銀水」が湧き、ミネラルウォーター「月のしずく」が誕生し、「ゆの里」は癒しの場に育っていきました。
数秘は目に見えない世界を
知る入り口。
- 生年月日の数字を足すことで「宿命数」「運命数」「使命数」「天命数」の4つの関係性をみていく『ゼロからマスターする数秘術』。1,782円(税込み)
古代ユダヤの知恵であり、2000年以上の長きにわたって伝わる神秘の学問体系が「カバラ数秘術」です。古代ユダヤから連なるユダヤ人は、その数字の暗号を読み取ることで、ビジネスや経済界を中心に、あらゆる分野で活躍。数秘術が成功者の秘法といわれてきた理由もそこにあります。
その数秘術をもとに、大胆な発想で独自の編集を加えたのが「はづき数秘術」。はづきさんは、「とくに人が生まれた〝誕生日〟の数字には、その人の人生の暗号が織り込まれている」と教えてくれます。
「僕は占い師ではないし、数秘を占いとは思っていません。だから、結婚できますか?と、尋ねられても、わからない。あなたがしたければできますよと、答えます(笑)」
はづきさんにとって、数秘とは目に見えない世界を知るための最初の入り口。占星術や四柱推命でもいいけれど、それらは星座表を見たり、読み解くための専門的な知識やノウハウが必要になります。
「数秘は単なる足し算なので、誰でもできるんですよね。鑑定者と鑑定される側の隔たりが少ないので、鑑定者のアドバイスに頼り過ぎないのです。だれもが数字という共通認識の上で理解し合えるのが、僕には合っていました」
講演会でひとたび壇上に立てば、観客を「笑い」と、「なるほど」と共感する〝はづきワールド〟へ誘います。平易なことばで、人生のシナリオを数字で読み解く話芸に、圧倒されます。
とはいえ、〝はづきワールド〟は一朝一夕にはできません。大きな転機が1995年の阪神・淡路大震災での体験でした。
「当時、西宮(兵庫県)に住んでいました。がれきの下敷きになって助けを求める人の声を聞いても、何にもできない。無力感と罪悪感で一杯でした。一緒に企画会社をしていた友人は、ちょうど中国出張中で留守。惨状を知らないから、そのあとも意見がまったく合わなくて、喧嘩してばかり。結局、自分でつくった会社を譲って、私は辞めることにしたんです」
時間ができて、ふと手にした船井幸雄さんの本にハマり、「こんな世界があったのか」と開眼。そこから船井さんが紹介する本を片っ端から読破し、『水からの伝言』の著者・江本勝さんと出会います。
「そこから水の世界にどんどん入っていって、あらゆる水を測定したり。その水つながりで、「ゆの里」を訪れました。お水は気に入って、友人たちと始めた水の喫茶店でも使い、金水で淹れた珈琲も出していました」
いち愛飲者というだけで、当時は「ゆの里」との関わりはそこまで。はづきさんはY2K、いわゆる2000年問題にのめり込んでいきます。
- 「伊勢神宮」内宮の荒祭宮で螺旋の光が口に入り、「目に見えない世界を多くの人に伝えるように」と言われ、「これから本当の仕事が始まるんだ」と確信。はづきさん、40歳のころです。
2000年1月1日に、コンピュータの誤作動が起り、世界中がパニックになると話題になった出来事で、ノストラダムスの大予言も後押して、当時は危機感を持つ人もかなりいました。はづきさんたちは、原子力発電所に向かいます。
「数万人の署名をもって、本気で電力会社に『原発を止めてください』と嘆願に行きました。結果は、鼻であしらわれて、止めたら誰が電力を供給するのか、責任が取れるのかと、逆に迫られました。ならば、非武装の僕たちで、原発が悪さをしないように〝愛のエネルギー〟を送ろうと。原発さん、静まってください。暴走しないでくださいと本気で祈ったのです(笑)」
原発銀座と呼ばれた日本海の現地には、同志が見張っていて、日夜、「問題ないか」「大丈夫か」と、はづきさんと密に連絡を取り合います。決死の覚悟で迎えた1999年の大晦日。気持ちは頂点に達しました。
しかし、現実は夜が白々と明けても、あたりは何も起こらない。子どもたちにはいつでも逃げられるように服を着たまま寝かせ付け、風呂には水を張り、ベランダには非常時の水のタンクがぎっしり並んでいるけれど、世の中はいつもの元旦の朝を迎えます。
「真っ白になりました。燃え尽きて灰になりましたね(笑)。正月、嫁さんからは、どうするの? おせちとか何もつくっていないわよと言われましたが」
自分たちは正しいことをしている、僕たちだけが知っていると思いあがっていた現実。知識だけで実践が伴ってなかった自分に気づきます。
「そこからですね。「ありがとう」を口に出して数え、トイレ掃除や神社参拝をしはじめたのは」。実際に行動すると何かが動いていったそう。
とくに「ありがとう」の効果は絶大で、1日3,000~4,000回のペースで、1年間に136万回。口にしながら、毎日ちゃんと数えて数を書き込んでいったそうです。
「僕は数秘でいうと「7」番。ちゃんと検証したい人なのです。だいたいでいいとかいうのは好きじゃない(笑)」
「ありがとう」の言葉を50万回くらい数えたところで、はづきさんに面白い現象がふりかかります。
「当時、小さな事務所を経営していて、「あと50万円くらいあれば助かるね~」とスタッフと話していたら、翌日、現金書留で本当に50万円が届いたのです。知人から遺産が入ったので、好きに使ってくださいと」
さらに100万回の大台を超えたあたりから、今度は、はづきさんの身体の中からあふれ出るもので満たされていく不思議な感覚が生まれます。
「忘れもしない、京都に仕事に行く途中の路上でした。その湧き出てくる『ありがとう』の光に、おいおい泣きじゃくってうずくまってしまいました」
世の中の仕組みはこうだったんだ。何かをしてもらったから「ありがとう」ではなくて、この世は最初から「ありがとう」の感謝で成り立っているのだと、雷に打たれたようにはづきさんは気づかされます。
「膨大な情報量が、自分の中に一気にダウンロードされて、ぜんぶつながった感じでした。一生かけても表現しきれないくらいの情報量があるから、これは、自分で本を書くんだろうなと、スイッチが入りました」
カバラ数秘は、喫茶店時代からお客さんに話していて好評だった。その解説書がどこにもなかったので、自費で小冊子をまとめて配ったら大好評で、その使い方を教えるために講演会を開いたのが、今の講演家人生の原点です。
人はみんな、自分で人生の
シナリオを決めて生まれてきた。
- 大阪で開催されたはづきさん主催の「月の会」で。重岡社長もゲストで呼ばれてお水の話をしました。
「僕が伝えたいことは、ひとつ。人は、自分で人生のシナリオを決めてきたんだということ。全肯定なのです。親や環境のせいにならない。文句を言う方向が違うんですね。そんな自分をクリエイトしていける最初の掴みとして、数秘は使えるんです」
自分の未来のシナリオが知りたい方は、ぜひ、はづきさんの『ゼロからマスターする数秘術』(前々頁)をお読みください。数字を介して導かれる世界が、面白いほど広がります。
さて、2023年がはじまりました。数秘が占いではないと聞きながらも、数が示す今年のベクトルは気になるところ。
「アセンション(次元上昇)のピークは、2012年、2021年、2030年の3回。各数字を足すと5になり、『5』は転換点のピークにあたります。1-2-3、4-5-6、7-8-9という数字を一塊と捉えると、2020年・2021年・2022年の4-5-6の一サイクルが終わり、2023年からは次の新しいフェイズに入ります。あえて名付けると、ここは〝激動の3年間〟。
2021年の2度目のアセンションで意識が変わる人と、変わらない人の違いが明確に出てきました。良い悪いじゃなくて、時代の変化に敏感に気づく人たちがある程度出てくると、必ず現象化してきます。でも地球には時間のタイムラグがあるので、この3年間で変わってきた意識が現象化するのは次の3年間。つまり、今年からの3年間で、変化する方向性が明確になるでしょう。「ゆの里」的には、お水の研究が飛躍的に進むと、僕はみています」
2023年の数をひと桁ずつ足すと「7」になります。
「『7』は、数秘でいうと休息だったり、区切り、完結という意味があります。現実的にはピリオド、ストップ、崩壊、解散、辞任とかね。そんな状況をあらかじめ織り込んでおくこと。これらは新しいものを生むための変化なので、驚く必要はないのです。大事なのは『内なる自分とちゃんとつながる』こと。起こった現象に対して、外に目を向けるのではなくて内側をクリーニングして整える。それができれば、2024年『8』の年には美味しい果実が待っていると思いますよ」
これまでの仕組みが機能しなくなった現実は、すでに至るところで露見しています。古い観念を手放して、ゆるやかにつながる、新しいコミュニティをつくること。
「そのためにも場がすごく大事になりますね。つなげる役割として、水はもっとも適した私たちの象徴です。いま、僕がこれまでずっと言ってきたことが、重岡社長のお水の話を聞くことで理解できる人がたくさん増えてきました。重岡社長のお水の話と数秘や真理の話は、かなり親和性が高いのです。
劇的にコミュニティの環が広がらなくてもいいのです。壽美子会長がいつもいわれていたように、お水が自然に流れるように「月の会」が広がっていくといいなと僕は思っています」
20年以上前から「ゆの里」のお水を飲み続けてきたのは、いま、こうして「ゆの里」と深くつながるためだったんだと素直に思えると、はづきさん。
これまで以上に「ゆの里」では、初めて来館される方が増えました。はづきさんのように、お水を深く理解して、自分たちのコミュニティとの共通性を見つけ、お水のことを広げる役割をしてくださっている方が増えたからでしょうか。
「ゆの里」は、どなたがいらっしゃっても気持ちのいい「場」であり続けたい。私たちができることは、山ほどあります。