ゆの里TOP >> コラム「【2】「ゆの里」はすべてが優しさに包まれている感じがします。」

【2】「ゆの里」はすべてが優しさに包まれている感じがします。

光・水・空気が会社の3本柱とおっしゃる渡邊社長

 今回の「人・水・出会い」はオーガニックコットンを専門に取り扱う企業、株式会社アバンティ代表取締役の渡邊智惠子社長にお話を伺いました。渡邊社長は企業活動以外にNPO活動にも積極的に参画。オーガニックコットンの普及啓発やグローバルスタンダード確立のための積極的な活動でも知られ、NHK総合テレビ「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも取り上げられました。また、東日本大震災後には、「被災地雇用創出」を目的として「東北グランマ仕事づくり」プロジェクトを立ち上げ、全国に大きな反響を呼んでいます。
 講演やセミナーで、国内外を問わず忙しく各地を回られている渡邊社長が、お仕事の合間に「ゆの里」に立ち寄られるとお聞きして、お仕事の内容や「ゆの里」との出会いについてお聞かせいただきました。

「ゆの里」との出会いについて教えてください。

 今から六〜七年前、ここ「ゆの里」近くの橋本市高野口町で、綿毛布を作っている取引先の会社の方が亡くなられて、スタッフと一緒にお通夜に参加して、翌日の告別式にも参列したいので泊まれる所ということで、紹介してもらったのが「このの」だったんです。
 その時は「ゆの里」のお水について何の知識もなく「ゆの里」ロビーにポリタンクがたくさん並んでいるのが印象的でしたが、翌朝も、すぐに出かけてしまったたので、その後すっかり忘れていました。
 それで一年か二年前になるんですけど、ある人から、「すごいお水があるんだけど、水に興味ある?」って言われたんですよ。私は、以前から「水」と「空気」と「光」を会社の基軸にしようと考えていました。この三つをアバンティの三本柱にしたいと思っていたんです。そして、お水というのはとても奥が深いもので、人間にとって最低限必要なものだし、お水によってすべてが変わるという事も勉強していましたので、すごく興味があると答えました。
 すると、「実は、和歌山の高野山の近くなんだけど、すごくいいお水の出る所があってね」と聞いて、すぐ「ゆの里」と結びついたんです。私、そこ行った事あるって。それで、お水の話を聞いているうちに、どうしてももう一度行きたくなって、連れて来てもらいました。   

二度目の「ゆの里」はいかがでしたか?

 その時は、重岡社長、専務にもお目にかかって、お水についての色々なお話を伺いましたが、どのお話もスッと心に入ってきました。その時に、ここには科学者から霊感の強い人まで、様々な分野の人達が集まって来ると知って、不思議な場所だな、そういう人達を呼び合っているんだろうなって思いました。
 「ゆの里」の印象は、とっても優しいっていう感覚です。ここは、すべてにおいて優しさに包まれている感じがします。お風呂に入ってもまったく身体に抵抗がない優しいお湯。コーヒーを飲んでも、お茶を飲んでも、ご飯を食べても、もちろんお水を飲んでもそうなんですけど、そういうものすべて含めて、ここの空気全体がとても優しいっていう気がします。人の原点の優しさっていうのかな? そういう感じ。

(株)アバンティのお仕事について教えてください

 無農薬・有機栽培綿の輸入販売、糸、生地から製品まで、一貫した企画製造販売を行っています。原料の綿はアメリカのテキサスから輸入していますが、糸づくりから、すべてメイド・イン・ジャパンにこだわっています。今、日本の95%の繊維製品は外国製なんです。ですから残りの5%の中の一部にアバンティのモノづくりがあって、さらに原料以外は、一から十まですべて国内で加工しているという、めずらしい会社です。
 オーガニックコットンを素材として扱う意味は、人と環境に優しいということです。今、遺伝子組み換えの種が横行していますが、そんな種を使わず、化学肥料、除草剤、枯れ葉剤を使わないでつくる、それから児童労働等の非人道的な搾取をしないことがオーガニックコットンのポリシーなので、そういう形でつくったものにはメッセージがあると思うんですね。重岡専務が、「お水は情報を持っていて、それを色んな所に伝える」とおっしゃっていましたが、私達の商品も、正常な意志を持っていれば、正常なメッセージが伝わって行くんじゃないかと思っています。

「東北グランマ仕事づくり」プロジェクトとは?

東北グランマのクリスマスオーナメント

 東日本大震災が起きた時に、一夜にして仕事も子供も失った女性達のことを思うとやっぱり無視できなくて、その年の6月に現地に入って避難所のおばちゃんたちに会いに行きました。その時に義援金と一緒に、うちのオーガニックコットンの残布(裁断くず)を持って行ったんです。それを使って、避難所でも仮設住宅でも、針と糸さえあれば何か仕事ができるんじゃないかと思って。で、何を作ろうかとなった時に、クリスマスはみんなにとって楽しい思い出だから、クリスマスに照準を合わせて、三カ所、50人のグランマ達(このプロジェクトに参加する被災地の女性をそう呼んでいます。)にクリスマスオーナメントを作ってもらうことにしました。そしてパッケージには、子供たちに是非メッセージを送ってくださいっていうコメントを入れました。すると500通以上のメッセージがあり、協力企業も次々と出てきて、2万5千個のオーナメントを在庫なしで全部売り切ることができました。そこからスタートして、徐々に注文も増え、今では拠点も7カ所に増え、人数も100名を数えるまでになりました。

今後「ゆの里」と、どのように関わっていかれますか

 ここに呼んでいただいたという事は、何か私の役割があるんだと思うんですね。たとえばこんなにいいお水なんだから、それを私のネットワークを使って拡げていく。私が直接消費者に訴えかけるんじゃなくて、私はモノづくりをする世界にいるので、同じようにお水を使ってモノづくりをしている人達に使っていただいて、そこからこのお水の良さを、モノを通して多くの人に知ってもらうことが私の役割なのかも知れません。 世の中には、たくさんいいモノがあるんだろうけど、それを使うことによってこれからの世の中をどうしていくのか、誰がどんな思いでつくっているのか、これのバックグラウンドは何なのかということを、発信していくのが、これからは大切になってくると思っています。


本日はどうもありがとうございました。

取材/ゆの里友の会

渡邊 智惠子(わたなべ ちえこ)氏 プロフィール

1952年 
北海道斜里郡生まれ
1975年 
明治大学商学部卒業
1975年 
株式会社タスコジャパン入社
1983年 
同社 取締役副社長に就任
1983年 
株式会社アバンティを設立、代表取締役に就任
1990年 
株式会社タスコジャパンを退社
1993年 
テキサス州アントニオ市に
    
Katan House Japan Inc.を設立。代表取締役社長となる。
1993年 
国内繊維企業9社の協力を得て日本テキサスオーガニックコットン協会を設立し、理事長に就任。
2000年 
NPO法人 日本オーガニックコットン協会 (JOCA)に昇格、副理事長に就任。
2005年 
国際オーガニック繊維品会議でオーガニックコットン繊維賞を受賞。これまでのJOCAにおける普及啓発活動、および企業人としてのオーガニックコットン製品の日本市場開拓の実績を評価される。
2008年 
長年に亘りオーガニックコットンという素材を世界に広めた功績により株式会社アバンティが「毎日ファッション大賞」を受賞する。企業活動以外にNPO活動にも積極的に参画。オーガニックコットンの普及啓発。グローバルスタンダードの確立のために積極的に活動。